62 巻 (2005) 6 号 p. 251-260
シンジオタクチックポリスチレン (sPS) とポリメタクリル酸メチル (PMMA) の非相溶系ブレンドに対し, 超臨界二酸化炭素流体 (scCO2) 中でsPS基質ヘメタクリル酸メチル (MMA) モノマーを含浸・その場重合させることによって, sPS非晶鎖とPMMA鎖が分子分散したsPS/PMMAブレンドの創製を試みた. ガラス状sPS試料はscCO2処理によってγ晶に変化するが, scCO2ブレンド中でもγ晶は保持された. scCO2ブレンドの透過型電子顕微鏡像および小角X線散乱曲線は結晶相と非晶相が数十nmオーダーで比較的均一に分散した構造が形成されたことを示した. 一方, 示差走査型熱量分析 (DSC) および貯蔵弾性率や損失正接に現れる非晶相中のPMMA鎖とsPS鎖のガラス転移は一つの温度 (約100℃) のみで観察され, しかも, sPSがγ晶からα晶に変化する結晶転移温度 (約190℃) はPMMAの増加とともに連動して低下した. これらの結果は, PMMA鎖がsPS非晶鎖と分子レベル (数Å以上) で相溶化したことによると考えられる.