口腔病学会雑誌
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パルス列電気刺激による歯髄診断の研究
小柳 省一郎
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1976 年 43 巻 3 号 p. 350-361

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抄録

歯髄疾患とパルス列歯髄診断との関連性について検索した。
通常の臨床診断により抜髄適応例と考えられた, 46名59歯について調査を行った。臨床診断は, 病歴, レントゲン写真, 打診, 電気診などによった。
抜髄を行う前に, パルス列電気刺激によりパルス間隔0.8msecでピークを示すかどうかを調べるために, 痛覚閾値を測定した。歯牙側が負となるような極性で, 毎秒一連3発で刺激を行った。持続時間を0.03msecとし, パルス間隔を0.5, 0.8および1.0msecと刺激を行い, 各々のパルス間隔に対応する痛覚閾値を測定した。
組織学的検索は, H・E染色標本で行った。臨床的に正常歯髄と判定されたもの27歯中22歯に, 歯髄に何らかの異常が認められた。すなわち, 萎縮, 線維化, 石灰化, 炎症などであった。この22歯について, パルス列歯髄診断を対応してみると, 22歯中18歯に, パルス間隔0.8msecに閾値のピークがなかった。パルス間隔0.8msecにピークを示した27歯中4歯の病理組織所見では, 炎症が存在するものはなく, いずれも軽度な石灰変性が存在していた。その程度は, 年齢を考慮に入れれば, 健全歯髄の範疇に入るものであった。
歯髄電気刺激の閾値を決定する因子についても考察を行った。
パルス列電気刺激は, 歯髄の病変を知る上で, 従来の診断法に加え, 用いる一手段と考えられる。

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