2020 年 63 巻 p. 55-62
本研究では観光列車料金から鉄道輸送サービスの高付加価値化を達成する要因を明らかにすることを目的として、ヘドニック・アプローチを用いて実証分析を行った。本研究より、車内空間の快適性を高めることに加え、SL列車やビュッフェ・カウンター等の車内販売設備の設置、グッドデザイン賞の受賞に示される高いデザイン性が高付加価値要因として機能していることが示唆された。事業者属性が有意に働いているケースもあることから、地方鉄道事業者など経営資源に乏しい事業者においては、同属性がブランド属性と見做せるようになるソフト面での取り組み等も今後求められると言える。