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本研究は,表情による乗り心地の客観的評価手法の確立を目指している。既報では,量的な表現が困難であった表情の解析にフーリエ記述子法を適用することによって眼・口の特徴表現を行い,基本感情を表出した表情からその感情を推定・評価するための表情評価モデルを提案した.本報では,船体動揺模擬装置(乗り心地シミュレータ)を用いた動揺暴露実験で実際に乗り物酔いを発症した被験者の表情にこの表情評価モデルを適用する。動揺暴露の開始直後から乗り物酔いの発症に至る表情の変化を調べ,表情評価モデルによる基本感情の評価と被験者本人の愁訴との関連を明らかにした。