関東東山病害虫研究会報
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病害の部
栃木県におけるネギ, タマネギおよび雑草でのアイリスイエロースポットウイルス (IYSV) の発生状況
福田 充森島 正二和氣 貴光
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2009 年 2009 巻 56 号 p. 13-16

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抄録

施設栽培のネギから採取したネギアザミウマのIYSV媒介虫率は0~8.2%,保毒虫率は0~38.8%であった。また,露地およびトンネル栽培のネギでは,媒介虫率は0~6.7%,保毒虫率は1~20.2%,ほ場での感染葉率は46.2%であった。ネギについては施設・露地ともにIYSVが高率に感染していた。タマネギから採取したネギアザミウマのIYSV媒介虫率は4~6月までのいずれの調査でも0%,保毒虫率は2.0~11.4%で推移した。タマネギに比較してネギの媒介虫率,保毒虫率が高い傾向が認められた。ネギについては家庭菜園等も含め広く栽培されており,IYSVの宿主植物として重要であると考えられた。ニラほ場周辺雑草7科12種からIYSVが検出され,その感染状況は6月~8月に集中し,冬季の感染は認められなかった。6~8月に集中して雑草からIYSVが検出されたのは,ニラほ場内でIYSVを獲得した保毒虫が流動的に寄生したためと考えられた。

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© 2009 関東東山病害虫研究会
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