2010 年 2010 巻 57 号 p. 79-81
メロンの定植を4週間間隔でずらしながら4作を栽培するビニールハウスの定植時にジノテフラン粒剤またはベンフラカルブ粒剤を施用する条件で,定植直後およびその4週間後の放飼スケジュールでスワルスキーカブリダニによるミナミキイロアザミウマの密度抑制効果をククメリスカブリダニ放飼とともに検討した。その結果,スワルスキーカブリダニの定着はククメリスカブリダニよりも良く,ベンフラカルブ粒剤を施用した区よりもジノテフラン粒剤を施用した区で定着が良い傾向が見られた。ミナミキイロアザミウマの成虫密度は両種のカブリダニ放飼によって低下しなかった。一方,幼虫密度はスワルスキーカブリダニ放飼によって低く維持された。以上の結果から,周年栽培されるメロンにおいてスワルスキーカブリダニ放飼によりミナミキイロアザミウマ幼虫の密度を抑制できる可能性が示唆された。