関東東山病害虫研究会報
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虫害の部
交信撹乱剤設置ナシ園におけるリンゴコカクモンハマキの発生消長とその薬剤感受性
高橋 真秀齋藤 俊一内野 憲
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2010 年 2010 巻 57 号 p. 85-86

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抄録

千葉県市原市のナシ園では,全域でハマキムシ類に対して交信撹乱剤(オリフルア・トートリルア・ピーチフルア剤)100本/10aを年2回,設置している(計200本/10a)が,同様に交信撹乱剤を設置した町田地区のナシ園内にフェロモントラップを設置し,リンゴコカクモンハマキの発生消長を調査したところ,5月中旬から10月中旬まで継続してトラップへの誘殺が確認され,5月中~下旬,6月下旬~7月中旬および9月下旬~10月上旬に明瞭なピークが認められた。そのため,リンゴコカクモンハマキが発生する要因のひとつとして推察された薬剤抵抗性獲得の有無を調査したところ,町田地区から採取,飼育した個体群の幼虫はDEP乳剤,クロマフェノジド水和剤に対して若干の感受性低下が認められたが,これまで使用されてきた主な薬剤(フルベンジアミド水和剤,チオジカルブ水和剤,フェンプロパトリン水和剤,クロルピリホス水和剤,BT水和剤)に対する感受性の低下は認められなかった。

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© 2010 関東東山病害虫研究会
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