関東東山病害虫研究会報
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病害の部
千葉県におけるナシの開花期および幼果期におけるナシ黒星病および心腐れ症の薬剤防除
金子 洋平牛尾 進吾
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2011 年 2011 巻 58 号 p. 63-66

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抄録

千葉県のナシ栽培において,開花期および幼果期は黒星病および心腐れ症の重要防除時期である。この時期に基幹剤として3回使用されているジラム・チウラムが製造中止となったため,ジラム・チウラムの代替剤を探索し,この時期における防除体系を検討した。黒星病に対する防除効果は,イミノクタジンアルベシル酸塩,ピリペンカルブで高く,チウラムはやや高く,ベノミル,バチルスズブチリスは劣った。心腐れ症に対する防除効果は,ピリペンカルブ,ジチアノンでは高く,ベノミルはやや高く,チウラムは年次間差があったものの認められ,バチルスズブチリスは認められなかった。マンゼブ,キャプタンは両病害に防除効果があったものの,「幸水」,「長十郎」の展開葉において薬害が認められた。防除効果,薬害等を勘案して,千葉県のナシ防除指針にはジラム・チウラムの代替剤としてチウラムを採用し,心腐れ症の防除効果の補完のためにベノミルを追加することとした。

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© 2011 関東東山病害虫研究会
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