2013 年 2013 巻 60 号 p. 125-127
茨城県で発生しているネギアザミウマ (Thrips tabaci Lindeman) において合成ピレスロイド系剤 (以下,合ピレ剤) の作用点であるナトリウムチャネルの遺伝子診断による抵抗性遺伝子頻度の調査を行い,併せてミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列の差異を利用したハプロタイプ解析を行った。ナトリウムチャネルの遺伝子診断の結果,調査した9地点のうち8地点から採集したネギアザミウマは,合ピレ剤に対して抵抗性遺伝子を有する個体群が優占していた。また,ハプロタイプ解析の結果,県内において高い割合で優先している産雄単為生殖型のネギアザミウマのハプロタイプは,イスラエルおよびアメリカで検出されたタイプと同じであった。