関東東山病害虫研究会報
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病害の部
栃木県におけるトマトおよびイチゴの灰色かび病菌の薬剤感受性
松本 華苗森島 正二福田 充
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2013 年 2013 巻 60 号 p. 37-40

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抄録

2012年3月~5月,栃木県のトマトおよびイチゴから採集した灰色かび病菌Botrytis cinerea74菌株について,殺菌剤添加培地を用いて薬剤に対する感受性を調査した。寒天培地菌叢ディスク法による判定では,チオファネートメチルおよびジエトフェンカルブは耐性菌率が高く,全てのトマト分離株が耐性菌とされた。また,両剤の複合耐性菌も多く,全てのトマト分離株,およびイチゴ分離株の70%で認められた。プロシミドン耐性菌はトマトでやや多く,フルジオキソニル耐性菌はトマト1菌株で認められた。寒天培地ペーパーディスク法による判定では,ボスカリド感受性低下菌は3菌株,メパニピリム感受性低下菌は6菌株で認められたが,ポリオキシン感受性低下菌は認められなかった。ボスカリド,メパニピリムの感受性低下菌について,キュウリ子葉およびインゲンマメ初生葉を用いた接種試験を行ったところ,病斑形成抑制効果の低下が認められ,寒天培地ペーパーディスク法の結果と一致した。

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© 2013 関東東山病害虫研究会
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