1987年9月に長野県下のプルーン (ヨーロッパスモモ; Prunus domestica) 栽培地で原因不明の果実腐敗が約20haで発生した。本障害は日本スモモ (Prunus salicina) にはみられず, プルーンのみに発生し, 発生程度には明瞭な品種間差が認められた。7月中旬頃から果実に円形のくぼんだ腐敗部が生じ始め, その後, 収穫期に向けて漸増した。発病果は早期に落果した。果実の腐敗部や葉, 葉柄の病斑, 落葉痕, 果梗痕からは高率に炭そ病菌が分離され, この分離菌は分生胞子の形態, 培養性質及び寄生性などから Colletotrichum gloeosporioides と同定された。スモモでの本病は未記載であるので, スモモ炭そ病 (Anthracnose) としたい。