関東東山病害虫研究会年報
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灰星病菌の休止感染によるプルーン果実の黒点及びさびの発生
飯島 章彦山下 享小川 秀和川合 康充
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1991 年 1991 巻 38 号 p. 133-134

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抄録

プルーン (ヨーロッパスモモ; Prunus domestica) の幼果に5月下旬ころから黒点及びさび症状が発生し, 品質低下とその後の果実腐敗をもたらして問題となった。本症状は灰星病による幼果腐敗の発生園に特異的にみられ, 発生程度に明瞭な品種間差異が認められた。黒点及びさび症状部からは常に灰星病菌 Monilinia fructicola が分離され, 分離菌の接種によって病徴が再現された。したがって黒点及びさび症状は, 灰星病の病徴の一形態であると判断された。このような灰星病菌の感染形態はアンズやオウトウで知られており, 欧米ではこの感染形態を“quiescent infection”と称しており,「休止感染」の訳語があてられている。

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