1995 年 1995 巻 42 号 p. 51-54
1993~94年の異常気象下の現地圃場におけるサツマイモ立枯病の発生は, 気象条件に大きく影響された。本病少発生条件下においては, Aspergillus sp. Penicillium sp. などを含有する微生物資材の土壌施用や土壌pHの弱酸性矯正による単独処理の発病軽減効果は顕著ではなかったが, 両者を併用した場合は, サツマイモの生育は優れ, 薬剤による土壌消毒に次ぐ収量が得られた。しかし, これらの処理効果も甚発生条件下には判然としなかった。一方, ペパーミントの1年輪作も少発生のポット試験条件下では本病の発生を軽減したが, 甚発生の現地圃場条件下では, 効果が判然としなかった。したがって, 微生物資材の施用や土壌pH矯正および輪作といった生態的防除手段は, 少発生条件下でのみ有効と考えられた。