関東東山病害虫研究会年報
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大型真空冷却装置を使ったイネ苗立枯細菌病の種子消毒
太田 光輝
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1996 年 1996 巻 43 号 p. 53-55

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抄録

イネの新しい種子消毒方法として, 真空浸漬法を開発したが, 大量のもみを扱うには不都合があった。そこで, 大量のもみを一度に消毒する方法として, 野菜産地にある大型真空冷却装置 (ナラサキVC 60-I5-SSSS型) を使った種子消毒法を確立した。本装置は内容積が20m3あり, 一度に3t位の種もみの処理が可能である。イネ苗立枯細菌病 (Pseudomonas plantarii) を対象として, 庫内温度12℃, 真空度750mmHg, 処理時間30分で種子消毒を行った結果, 慣行の24時間薬剤浸漬に比べ発芽はやや遅れるものの, オキソリニック酸・ペフラゾエートフロアブル剤やオキソリニック酸・プロクロラズSE剤処理で防除効果が高まった。この防除効果の向上要因は, 玄米へのオキソリニック酸の付着量増加と考えられた。しかし, 種子消毒後浸種処理を行うと防除効果が低減するため, 今後本種子消毒法の使用方法の改良が必要である。

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