内分泌かく乱物質, いわゆる「環境ホルモン」問題の最近の国際的な動きについて述べるとともに, 現時点で最重要な「環境ホルモン」作用検出のためのOECDや米国EPAのスクリーニング/試験法 (案) の概要を示した。これら両案での評価の流れは, 段階的なスクリーニングや諸試験を経て最終的に繁殖試験 (同補強法) で有害性アセスメントを行う形となっている。一方,「環境ホルモン」作用が疑われている農薬 (SPEED'98にリストアップされた20種) について, 催奇性や繁殖性のデータを再解析しリスクアセスメントを行った。この結果, これらの農薬については, 現行のリスク管理を維持すればヒトへの安全性は確保できること, 野生生物に対しては標準試験法の確立後, 同上作用が無いか低いことを実証する必要があることなどを結論した。