1999 年 1999 巻 46 号 p. 35-38
千葉県南部地方の特産品, ナバナ花蕾の腐敗症状が圃場ならびに輸送時に発生し, 産地維持の大きな障害になっていた。本症状の原因は生理的要因によるものと考えられ, その対策がとられていたが, 近年漸増傾向にあることから, 病原の再検討を行った。その結果, 罹病花蕾組織には細菌が多数存在すること, 被害部から分離された蛍光色素産生 Pseudomonas属細菌を花蕾に注射及び噴霧接種すると, 圃場被害株に類似した病徴を再現することを確認した。ナバナ花蕾の腐敗症状は細菌の感染によって発生した病害であることが明らかになった。