関東東山病害虫研究会報
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天敵出芽細菌 Pasteuria penetrans を利用したイチジクのサツマイモネコブセンチュウ防除
三平 東作
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2001 年 2001 巻 48 号 p. 165-169

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抄録

イチジクの生育抑制, 収量低下をおこすサツマイモネコブセンチュウ Meloidogyne incognita 対策を目的に, 天敵出芽細菌 Pasteuria penetrans の防除効果をポット試験と現地圃場で検討した。ポット接種試験では, 処理翌年の収穫終了時から天敵出芽細菌の線虫への寄生が認められ, 2年後の収穫終了時には土壌中の線虫密度が抑制され, イチジクの生育収量は薬剤処理区とほぼ同等であった。一方, 現地圃場に天敵出芽細菌109個胞子/m2を3年連続処理した結果, 天敵出芽細菌の線虫への付着程度は処理翌年の収穫終了時から高まり, 3年後の収穫終了時に胞子付着率は72.1%, 2期幼虫1頭当たりの胞子付着数は2.12個に達した。また, イチジクの生育は, 無処理区より10~20%旺盛となり, 天敵出芽細菌の3年連続処理法による線虫防除効果が示された。

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