2007 年 2007 巻 54 号 p. 173-176
東京都では2006年にチャバネアオカメムシやクサギカメムシなどの果樹カメムシ類が多発し果樹や野菜に大きな被害を生じた。そこで, 2006年のチャバネアオカメムシの発生状況を調査するとともに, 同年の予察灯誘殺数を以前のデータと比較した。その結果, 2006年の発生は今までに例を見ない大発生であることが明らかになった。また, スギおよびヒノキ科飛散花粉数から同種の発生量予測を試みた。スギおよびヒノキ科飛散花粉数と越冬成虫であると思われる翌年4月から7月までの予察灯誘殺数との間に相関が認められた。例年, 飛散花粉数は5月中に確定することから, 約1年前に越冬世代成虫の発生量予測が可能であると考えられた。