2007 年 2007 巻 54 号 p. 43-46
栃木県内の主要なニラ, ネギ, タマネギ産地でアイリスイエロースポットウイルス (IYSV) が高率に発生していることを明らかにした。ネギアザミウマのIYSV媒介虫率および保毒虫率は, ニラから採取した個体群ではそれぞれ3.1%, 18.6~22.4%, ネギ個体群ではそれぞれ6.0~12.5%, 22.0~30.0%であり, ニラに比較しネギから採取した個体群のIYSV媒介虫率が高い傾向が認められた。現地圃場から採取したニラを部位別に分けて nested-PCRした結果, 葉, 鱗茎および根からIYSVに特異的なcDNAの増幅が認められ, IYSVがニラで全身感染している可能性が示唆された。ニラ, ネギ, タマネギから分離されたIYSVのN遺伝子領域の配列はオランダで分離されたIYSVNLと高い相同性を示した。