教育学研究
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論文
20世紀初頭における学校教練再編の歴史的意義
「兵式体操」から「教練」へ
奥野 武志
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2020 年 87 巻 3 号 p. 379-390

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抄録

 集団的規律的運動を尋常小学校1年生から男性だけでなく女性にも課す1913年「学校体操教授要目」における「教練」の着想は、文部省側委員として体操調査委員会の議論を主導した永井道明が欧米視察から得たものである。「兵式体操」から「教練」へという学校教練の再編は、学校教育の軍事からの独立を維持しつつ、森有礼が「兵式体操」に求めた「精神」を対象となる性別年齢を拡大して復活させるために文部省が主導したのである。

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© 2020 一般社団法人日本教育学会
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