教育実践学研究
Online ISSN : 2436-0945
Print ISSN : 1880-2621
人の誕生を題材とした命の授業における中学生の学び
光武智美
著者情報
キーワード: 命の授業, 助産師, 中学生
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 25 巻 p. 24-30

詳細
抄録

本研究は,平成 29年(2017 年)に A中学 1年生 4クラス 152 名(男子 72名,女子 80 名)の集団に対して,助産師である筆者が人の誕生を題材にして行った,命の授業後の生徒の感想から生徒の気づき(学び)を整理・カテゴリ化し,それぞれのカテゴリ(サブカテゴリ)間の関係を考察することで,命の授業を構想する際の教育内容の選択と学習順序の在り方についての示唆を得ることを課題とした。生徒の気づきを内容分析した結果,【胎児の存在の思考】と【生まれるまでの理解】の情報が刺激となり【育ててくれる人の思いの理解】につながっていた。【育ててくれる人の思いの理解】が原動力となって【命の再考】起こり【今を生きる大切さの実感】につながっていた。【今を生きる大切さの実感】することが,さらに【これからの生き方の思考】へと発展していた。胎児の成長過程という人の誕生を題材にした体験型の命の授業を行うことで「自分や自分以外の人々の命について考える機会」になり,「どのように生きていきたいかを考えるきっかけをもつ」ことがわかった。

著者関連情報
© 2022 教育実践学会
前の記事 次の記事
feedback
Top