杏林医学会雑誌
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鉛による赤血球 ALA-D (δ-Aminolaevulinate dehydratase) 活性の阻害および各種処理による活性修復について〔第 1 報〕
是枝 忠子柏原 久美子白水 晶子湯口 幹子
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1979 年 10 巻 1 号 p. 15-23

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抄録

鉛により阻害されたALA-D(δ-aminolaevulinate hydrolyase, EC 4.2.1.24)活性が加温処理や亜鉛添加により修復されることについては, それぞれすでに報告されているところであるが, 著者らは主に試験管内における酢酸鉛による赤血球ALAD活性阻害について検討した。これらの処理効果は水銀や銅などと比べて鉛に特異性が高いかに考えられるが, 加温(60℃, 5分間)のみによる活性修復は, 添加鉛濃度によりその差が大きい。一方, 亜鉛添加による修復効果は著しく, ほぼ阻害前の活性にまで修復されたが, 坂井らによると加温効果値に比ベヘマトクリット(Ht)値による影響が著しいといわれている。われわれはこれらの条件を考慮し, 亜鉛添加のもとで加温する方法を試みた。この新法によると亜鉛添加のみの場合に比べて, より低濃度の亜鉛で充分であり, かつ塩化亜鉛25∿200μmol/lの範囲でその効果に大差はなかった。したがって坂井らのいうようにHt値により, 亜鉛濃度を変えなくとも, 50∿100μmol/lの亜鉛添加により阻害前の活性値に近い修復効果を期待できるものと考えられる。なおこの効果に対するALA-D値は添加鉛濃度によく逆相関する。

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© 1979 杏林医学会
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