空腹時血糖値頻度分布は加齢にともなって非対称性を示し, 平均や分散が大きくなり, 右方へ「すそ」を引くようになる。このような傾向から, 糖尿病群と正常群という異質的な2集団があることを想定し, これらの群の血糖値頻度分布はそれぞれ正規分布を呈するとの仮説にもとづいて, 非対称性血糖値頻度曲線を2つの正規曲線に分離することを試みた。20-29歳群, 30-39歳群, 40-49歳群, 50-59歳群, 60歳以上群に分け, それぞれについて, 単一正規分布および複合正規分布のあてはめを試みたが, いずれの仮説においても, 観測度数と期待度数の差は統計的に有意であり適合しなかった。なお, このことに関して, 資料の特性, 分析法の問題など考察を試みた。