杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
Print ISSN : 0368-5829
ISSN-L : 0368-5829
空腹時血糖値頻度曲線の非対称性について
古庄 敏行吉丸 博志北沢 幸夫後藤 由夫平石 佳之鈴木 知幸
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 17 巻 2 号 p. 171-176

詳細
抄録

空腹時血糖値頻度分布は加齢にともなって非対称性を示し, 平均や分散が大きくなり, 右方へ「すそ」を引くようになる。このような傾向から, 糖尿病群と正常群という異質的な2集団があることを想定し, これらの群の血糖値頻度分布はそれぞれ正規分布を呈するとの仮説にもとづいて, 非対称性血糖値頻度曲線を2つの正規曲線に分離することを試みた。20-29歳群, 30-39歳群, 40-49歳群, 50-59歳群, 60歳以上群に分け, それぞれについて, 単一正規分布および複合正規分布のあてはめを試みたが, いずれの仮説においても, 観測度数と期待度数の差は統計的に有意であり適合しなかった。なお, このことに関して, 資料の特性, 分析法の問題など考察を試みた。

著者関連情報
© 1986 杏林医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top