杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
Print ISSN : 0368-5829
ISSN-L : 0368-5829
組織培養液 RPMI-1640 を用いたイヌ腎低温灌流保存の研究
千野 武裕
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 17 巻 2 号 p. 185-197

詳細
抄録

腎移植には, 腎の保存法の確立が不可欠の問題であり, 特に長時間保存できることが切望されている。しかし従来の保存液には, 作成に手間と時間を要するものが多い。そこで著者は, (1)即利用可能の滅菌済みで, 商品化された組織培養液を用いての腎保存法の検討, (2)長期保存の為の至適温度の検討, により長期腎保存法の確立を目的として本実験を行なった。保存液として, 組織培養液であるRPMI-1640を用い, 従来の保存液であるcryoprecipitated plasmaと比較し, イヌ腎を120時間まで低温灌流保存を行なった。また保存温度は4∿10℃まで変えて, 比較検討した。これにより, 組織培養液であるRPMI-1640は従来使用されている保存液と比較し, 充分使用し得る可能性があることが示唆された。また, 腎低温灌流保存における至適温度は, 6∿8℃であることが明らかとなった。

著者関連情報
© 1986 杏林医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top