杏林医学会雑誌
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ラット実験食道癌に関する研究 : 化学療法剤および免疫賦活剤の発癌率におよぼす影響について
小林 義〓鍋谷 欣市李 思元久保川 潔
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1986 年 17 巻 2 号 p. 199-204

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抄録

N-MethylbenzylamineとNaNO_2を同時に投与することによって, ラットに食道癌を作製し, 発癌形態および化学療法剤, 免疫賦活剤投与による発癌率への影響さらに他臓器の変化について検討した。組織形態学的には, 食道内腔に向って発育するPapillomaが発癌剤投与3カ月頃より出現し, 食道壁内に向って発育するCarcinomaは, 早期癌で4カ月, 進行癌で5カ月頃に出現した。発癌率では, 化学療法剤や免疫賦活剤の単独使用では, ほとんど差を認めないが, 両者の合併療法では, 著明な発癌率の低下を認めた(P<0.05)。他臓器への影響は, 前胃に食道同様の隆起性病変を認めるものもあるが, その発生率は数%以下であった。すなわちMBAとNaNO_2の同時投与により食道に選択的に癌を作製することが証明された。

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© 1986 杏林医学会
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