杏林医学会雑誌
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血中に抗 ACTH 抗体と交叉反応を示す異常物質の高値を認めた adrenal myelolipoma の 1 例
板垣 英二中溝 悦子吉元 勝彦村木 俊雄渡辺 滋野崎 道郎村川 章一郎
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1986 年 17 巻 2 号 p. 249-254

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抄録

症例は34歳の男性。肥満を伴う糖尿病の為某病院入院中にadrenal myelolipomaの摘出手術をうけた。その際, 副腎皮質機能は正常であるにも拘らず, 血中ACTHの異常高値が認められ, 精査の為当科に入院した。抽出操作を必要としないradioimmunoassayを用いたCIS kitによる血漿ACTHは, 極めて高い値を示したが, 抽出操作を加えた他のkitによる測定では, 血漿ACTH濃度は正常であった。このACTHの異常高値は, 日内変動を示さず, dexamethasone抑制試験, metyrapone刺激試験のいずれにも反応しなかった。ゲル濾過により, この抗ACTH抗体と交叉反応を示す異常物質は, ACTHより分子量の大きい分画中に溶出された。生物活性は乏しいと考えられるが, adrenal myelolipomaの成因におけるこの異常物質の意義につき若干の考察を加えた。

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© 1986 杏林医学会
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