杏林医学会雑誌
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ptrp-lacZ プラスミドの作製と divE および dnaJ 変異株での発現
加藤 陽一郎大木 玲子勝目 卓朗
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1986 年 17 巻 4 号 p. 499-513

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抄録

大腸菌における細胞周期依存性タンパク質の合成の調節機構を, 分子レベルで解明する研究の一環として, 細胞周期依存性タンパク質であるラクトースオペロンのβ-ガラクトシダーゼの構造遺伝子lacZに, 細胞周期非依存性のトリプトファンオペロンのプロモーターを結合させたptrp-lacZ融合遺伝子プラスミドを作製した。得られた融合遺伝子プラスミドの構造を塩基配列決定により確認した。また, 細胞周期依存性タンパク質の合成に関し, 温度感受性変異をもつtSC42, K7051 (λdnaK)変異株を用い, プラスミド上のキメラlacZ遺伝子の発現をin vivoおよびin vitroで調べた結果, これらの変異株の細胞周期依存性タンパク質の合成の欠損が, 転写段階にあることを示唆する結果が得られた。

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© 1986 杏林医学会
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