杏林医学会雑誌
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剖検脳組織における細胞核triiodothyronine受容体測定の試み
吉野 佳一入江 宏後藤 健三赤井 契一郎
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1988 年 19 巻 4 号 p. 407-411

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抄録

系統変性疾患における選択的細胞障害に応答系の異常が関係している可能性があるが,筋萎縮性側索硬化症(ALS)での葉酸サイクルの代謝回転の異常に関連して,われわれは細胞核のtriiodothyronine受容体(NT_3R)に注目した。従来, NT_3Rは実験動物の新鮮脳組織での値が知られているが,今回われわれは,NT_3Rの測定が剖検脳組織においても可能であることを報告した。非神経疾患にて死亡した患者の凍結保存した大脳より中心後回灰白質約1gを切り出し,Lφvtrup-Rein & McEwenの方法に従い核を分離し,Silvaらの方法によりT_3-binding assayを行なった。Scatchard法にて算出したNT_3Rの最大結合量(B_<max>)は(253±33)×10^<-17>moles/μg DNA(8),解離定数(kd)は(7.5±0.8)×10^<-10>moles/l(8)であり,文献上のラット新鮮脳の値に近似した。ALSなどの変性疾患でのNT_3Rの測定が今後の課題である

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© 1988 杏林医学会
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