杏林医学会雑誌
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高齢者慢性硬膜下血腫の予後 : 血腫による中脳偏位の重要性について
横山 治久冨田 泰彦小柏 元英
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1988 年 19 巻 4 号 p. 413-418

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抄録

75歳以上の高齢慢性硬膜下血腫患者39例に対し,CT所見,神経症状などのうち,手術後の予後に関連する因子につき考察した。入院時の意識状態は予後に強く影響していた。CT所見については,血腫の部位・大きさは予後と相関しなかった。両側性慢性硬膜下血腫は,一側性慢性硬膜下血腫と比較し,予後は良好だった。中心構造の偏位,特に中脳偏位は予後に強く影響していた。高齢者では,意識障害は血腫が中脳を圧迫していることを示唆する。更に脳elastanceが低下しているため,血腫除去を行なっても中脳の偏位が回復せず,予後不良となることが多い。従って,意識障害の強い患者は言うに及ばず,CT上中脳偏位の見られる場合は神経症状の有無によらず速やかに手術を行なう必要がある。

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© 1988 杏林医学会
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