杏林医学会雑誌
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人間ドック受診者における健康意識と有所見率 : 問診の意義について
岳 眞一郎
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1989 年 20 巻 2 号 p. 139-144

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抄録

人間ドック受診者1235名を対象に,健康意識別有所見率,主訴と所見の一致率,男女別,並びに受診回数別有所見率を検討し以下の結果を得た。1)健康であると思っている者と異常を訴える者との有所見率に有意差は認められなかった。2)主訴と所見の一致率を器官系統別にみると著しい差異が認められた。3)男女別有所見率に有意差は見られなかった。4)初回受診者と複数回受診者との有所見率にも有意差は認められなかった。以上の結果から,潜在性疾患の発見に関しては,単に主訴に対応する器官だけの検査に止まらず,個体を単位とした人間ドック方式の重要性が示された。また,診断における問診の重みを検査所見との一致率から数量化し,その重要性を器官系統別に示すことができた。

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© 1989 杏林医学会
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