杏林医学会雑誌
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若年性関節リウマチにおける抗C3d免疫複合体に関する研究
前田 基晴
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1992 年 23 巻 1 号 p. 45-55

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抄録

若年性関節リウマチ(JRA)における血中免疫複合体(CIC)の意義を知るため,C1q抗体法と抗C3d抗体法を用いてJRAのCICを測定し,サブタイプ,病態別に比較検討した。C1q抗体法ではCICの陽性率は低値であったが,抗C3d-CIC値は疾患活動性との相関を認め,特に多関節型発症でその傾向を強く認めた。さらにPEG,処理することにより関節炎の有無と抗C3d-ClC値との間に有意な相関が出現した。また免疫グロブリン製剤の投与によりin vitroではJRAでCIC値の有意な増加を認め,in vivoにおいてはCIC値の減少と共に関節炎が消失した症例を経験した。さらに免疫グロブリン療法の実態を知るため全国調査し,107例中50例が有効という結果を得た。これらのことより抗C3d-CICはJRAの活動性,特に関節炎の病態に関与し,免疫グロブリン療法により抗C3d-CICが低下することが治療効果と関係あるものと思われた。

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© 1992 杏林医学会
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