杏林医学会雑誌
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胆嚢癌と胆内胆管癌の同時性二重癌の1例
吉田 明弘小森 直起森 秀明高橋 信一斎藤 昌三青柳 利雄毛利 昇
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1993 年 24 巻 2 号 p. 283-287

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抄録

症例は56歳,女性。平成2年6月,右季肋部痛のため近医受診し,腹部超音波(US)およびcomputed tomography (CT)にて多発性肝腫瘍を指摘され,精査目的にて当院へ入院した。US,CTにて肝両葉に多発性腫瘤を認め,USでは胆嚢内に隆起性病変を認め,胆嚢床から肝内へ連続して腫瘤を形成していたため,胆嚢癌の肝転移が疑われた。抗癌剤動注療法を施行するも,その後,全身状態悪化し,平成3年2月10日に永眠された。剖検にて,胆嚢癌と肝内胆管癌の同時性二重癌と診断した。画像診断上は胆嚢癌の肝への直接浸潤が疑われ,重複癌との鑑別が困難であり,興味ある症例と思われた。

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© 1993 杏林医学会
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