杏林医学会雑誌
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蠕虫症診断のための血清学的検査成績 : 1991-1996年
藤野 隆志春木 宏介松井 利博横田 夏紀小林 富美恵辻 守康
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1998 年 29 巻 4 号 p. 581-585

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抄録

杏林大学医学部熱帯病・寄生虫学教室では1991年から蠕虫感染が疑われる患者について血清診断を実施しており,1996年までの6年間に臨床各科からの依頼検体数は3,162検体に及んでいる。これらの内,蠕虫抗体陽性総数は854例(27.0%)で,その内訳は犬蛔虫が487例(57.0%),アニサキス103例(12.1%),肺吸虫82例(9.6%),肝蛭37例(4.3%),広東住血線虫35例(4.1%),人蛔虫27例(3.2%),住血吸虫25例(2.9%)で,顎口虫,鉤虫,日本海裂頭条虫,肝吸虫などは1%未満であった。犬蛔虫抗体陽性例を年齢別に比較した結果41-50歳をピークとした正規分布を示し,小児などの低年齢層よりも中高年層の方が陽性数が多かった。

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© 1998 杏林医学会
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