杏林医学会雑誌
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新生ラットおよび新生児の糖およびエネルギー代謝に関する研究 (第 1 報)
勝目 卓朗手塚 澄子松倉 由美子小林 清
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1973 年 4 巻 3 号 p. 169-178

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抄録

新生児ラットはKCNやCOによつてひき起される窒息に対して強い抵抗性を示す。ラット脳内のADP量と無機燐量は, 生後第4日目に最低値を示し, pyruvate carboxylase活性とβ-hydroxybutyrate量は同じ生後第4日目に最高値を示す。この時期にPasteur効果の転換が行われるものと考えられる。人新生児の血中無機燐量は生後数日は低いが, 生後7日においては有意の増加を示し, ADP量も生後7日に有意の増加を示す。そして血中無機量燐量およびADP量は生後1週間はβ-hydroxybutyrate量とよく相関するが, 血中ブドー糖とは相関しない。

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© 1973 杏林医学会
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