杏林医学会雑誌
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特集「災害医療」Part2
PTSDについて
伊東 杏里
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2016 年 47 巻 1 号 p. 73-76

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抄録

 心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder:PTSD)は,極度の外傷的出来事により引き起こされる反応性の精神症状であり,フラッシュバックを代表とする侵入症状,外傷的出来事への回避努力や,感情のネガティブな変化などが一ケ月以上みられたときに診断される。災害時には身体疾患のみならず精神疾患への早期介入・早期治療が重要であるが,専門スタッフの支援が被災者へ十分に行き渡らない事が問題である。簡便なスクリーニングを用いれば,専門知識がなくても早期から支持的に介入することが可能である。PTSDの診断基準および簡便なスクリーニング検査について述べ,早期介入の重要性について解説する。

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© 2016 杏林医学会
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