杏林医学会雑誌
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症例報告
涙嚢炎からMRSA(USA300)敗血症をきたした新生児の1例
西條 智子木内 善太郎福原 大介上里 忠光上原 由紀楊 國昌
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2019 年 50 巻 3 号 p. 131-135

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抄録

 涙嚢炎は小児科医が日常診療の中でしばしば経験する疾患である。症例は日齢7の男児,涙嚢炎の診断で入院し,血液培養検査からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus : MRSA)が検出され,MRSA敗血症としてバンコマイシンによる治療を行った。後に,菌株解析を施行し,PVL(Panton-Valentine leukocidin)陽性の市中型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(community-associated Methicillin-resistant Staphylococcus aureus : CA-MRSA)(USA300)と同定された。今回,敗血症にまで至った最大の原因は起因菌がPVL陽性のCA-MRSAであったためと考えられ,近年その高病原性について注目されている。涙嚢炎からも起因菌の病原性によっては敗血症や髄膜炎などの重症感染症を引き起こし致死的になりうるため,注意が必要である。

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