1976 年 7 巻 1 号 p. 21-24
本邦においても赤血球中に含まれるGlyoxalase I (E.C. : 4.4.1.5)の遺伝的変異が法医学上の親子鑑別に応用可能かを調べることを目的に, 東京在住の健康な献血者572名の血液試料につき澱粉ゲル電気泳動法にて検査した。3種類の表現型, GLO 1 (0.87%), GLO 2-1 (15.91%), GLO 2 (83.22%)が検出され, 遺伝子頻度はGLO^1=0.0883, GLO^2=0.9117となつた。父権否定の確率は0.074となり, 応用性の高い値と言える。なお, 本研究においては短時間で検査可能な新しい電気泳動の条件を考案し良好な結果が得られた。