チャ赤焼病細菌の越夏生態におけるチャ茎の伝染源としての役割を明らかにするために,赤焼病細菌の茎内への注入接種による葉での発病,茎内での生存,茎内での移動特性および培地での運動性との関係について検討した。赤焼病細菌の茎内注入接種により,接種部位に隣接する葉柄基部で病斑が形成された。また,赤焼病細菌の茎内での生存率は高かった。一方,接種部位から赤焼病細菌が茎内を上部へ長距離移動する現象が見られた。この茎内移動は,赤焼病の発病適温である15℃では顕著であったが,発病適温以上の25℃ではほとんど見られなかった。また,培地上でSwarming型の運動性を示さず病原力の低い菌株は,茎内移動が劣った。以上のことから,茎内で越夏した赤焼病細菌が秋期の一次伝染源となり得ると考えられた。