九州病害虫研究会報
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虫害
新規殺虫剤トリフルメゾピリムに対するイネウンカ類の薬剤感受性
彌富 丈一郎 宮崎 仁美五十嵐 清晃阿部 新太郎
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2019 年 65 巻 p. 90-93

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抄録

イネウンカ類に卓効を示す新規殺虫剤トリフルメゾピリムに関して,2015年よりトビイロウンカ,ヒメトビウンカ,セジロウンカの3種に対する感受性検定を微量局所施用法によって行った。使用した採集個体群は,感受性系統と比較した場合,トビイロウンカではイミダクロプリドに対して,セジロウンカ及び関東地域で採集されたヒメトビウンカではフィプロニルに対して感受性が低下していた。また,九州地域で採集されたヒメトビウンカは採集年および採集地によって感受性の程度が大きくばらついた。その一方で,トリフルメゾピリムの半数致死薬量(LD50値)は,いずれのイネウンカ類の個体群においても0.3μg/g 以下と非常に低く,またそれぞれの種の感受性個体群と比較して大きな差が無かったことから,既存薬剤抵抗性イネウンカ類に対しても安定して効果を発揮することが明らかになった。

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© 2019 九州病害虫研究会
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