福岡県筑後市,九州農業試験場の予察灯で調査した1947年より1961年までのニカメイガの誘殺数の変動を相関法により解析し,予察的利用について考察した.
(1)過去15年間における多誘殺年次と少誘殺年次の誘殺消長の模式的型と,それらが年を追つて変化してゆく遷移の過程での相互関係を明らかにすることができた.
(2)5・6・7月の低温条件は大発生のための充分な条件ではなく,多発性を導く共働的要因であるように思われる.
(3)1化期の性比は,1化期ばかりでなく当年年間総誘殺数,更に翌年の年間総誘殺数とも相関連し,性比が高い年は誘殺数も多い.そして,1化期性比および誘殺数は約15年を単位とする循環的変動をしていることがわかり,虫自身の潜在的性質の変化の中に,長期間には規則的な変動が起つていることがうかがえた.
以上のようなことから,1化期の性比がかなり有効な長期予察の指標となり,その値が60%を超すときには,当年および翌年の多発生を想定してもよいように考える.