主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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脳血管障害後左片麻痺患者2例に対して、足部おおい型の両側支柱付短下肢装具の装着自立を目標にアプローチした。装具装着の工程は非常に煩雑であり、自立に至るまでにさまざまな装着方法を試みた。2例については、ベッド端座位での装具の装着パターンは下腿カフ部分から装着すると比較的スムーズに装着することができた。工程の中で足部おおいを踏みつけて下敷きになったべろを定位置に戻す動作が困難なことが多く、足部おおいを予め開いておくための工夫を試みた。動作技術のみならず、装具着脱する際に必要な能力の獲得も行っていくようアプローチしていく必要があった。装具着脱の動作獲得を進めるためには、本人とともに難しい動作に対する問題点を確認していき、意識的な反復訓練を進めていくことで作業意欲の持続も図れた。個々の症例にあわせた姿勢・場所・手順や方法の検討をひとつひとつ試行しながら実施していくことが重要であることがわかった