主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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心臓血管外科周術期の理学療法は、術前の呼吸指導に始まり、術後はICU内にて、抜管直後より排痰を含め換気能の改善を図り、ADLの早期拡大を目的に行っている。そこで、その効果を検証するために、2002年11月から3月までの期間をPT施行群、心臓外科周術期の理学療法を開始する以前の2002年5月から9月までの期間をコントロール群として、1)年齢、2)性別、3)疾患名、4)術式、5)手術から人工呼吸器離脱(以下、抜管)までの日数、6)抜管から歩行開始までの日数、7)抜管から退院までの日数、8)自宅復帰の可否を比較した。結果は、「手術から抜管までの日数」「抜管から歩行開始までの日数」においては、両群間に差はみられなかったが、「抜管から退院までの日数」においてPT施行群の方がコントロール群に比べ有意に短期間であった。これは、術後早期より離床を進め、運動療法を施行することによって、術後肺合併症が予防され、早期にADLが拡大しためと推察された。心臓外科周術期の理学療法は、ADLの早期拡大だけでなく、在院日数を短縮することが分かった。