主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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研究の目的は、10m Shuttle Walking Test(以下10mSWT)のCDを用いて10mコースと15mコースで運動負荷試験を実施し、15m Shuttle Walk & Run Test(以下15mSWRT)が全身持久力を評価する新しい運動負荷試験として利用できるかを検討することである。
対象は、健常成人51名である。方法は、対象を10mSWT群と15mSWRT群の2群に分けてそれぞれ実施し、各レベルの平均酸素摂取量を測定した。
結果、15mSWRTにおける各レベルの平均酸素摂取量とレベル(距離)の相関係数は0.95と、強い正の相関があることが認められ、酸素摂取量=0.03×移動距離+6.41という予測式が導き出された。また、レベル12の平均酸素摂取量は15mSWRT 51.18±8.28、10mSWT 34.51±2.98であった。
以上より、15mSWRTは、平均酸素摂取量との相関が非常に高く、10mSWTより短時間に負荷量が増加し、最大運動強度も大きいことが示唆された。ゆえに、対象を健常中高年層の全身持久力を評価する運動負荷試験として用いることが可能であると考えられた。