主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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腰痛症の患者の中には病院以外の治療機関を利用する者も多く、その治療歴、病態・治療内容についての理解も様々である。また腰痛体操などの指導を行っても継続出来ないなど患者の協力が得られないことも多く、理学療法士が提供する治療内容と患者の理学療法に対する期待が一致しているかどうか疑問に残る。今回、理学療法に対する意識調査を行った結果、腰痛治療について十分な説明を受けていると答えた患者が多かったが、一方で体操が効果的と答えた患者はなく、現状では患者教育が不十分であり、理学療法士から直接治療を受けることを望む傾向がみられた。患者側は治療を受動的で慰安的なもの捉えていると考えられ、治療内容の説明が十分に理解されておらず、治療に対する意識の差が生じたと思われる。今回の調査から、患者の協力が得られ、効果のある理学療法を行うために、患者の主観的な変化だけでなく客観的データを示しインフォームドコンセントを行っていく必要がある。