九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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前距腓靭帯再建術後患者に対するアプローチ
-スポーツ復帰を目指して-
*田中 和重落合 裕之野田 喜寛勝見 良子小林 智子石丸 智之土屋 隆之
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p. 54

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抄録

足関節外側靭帯損傷は足関節の外傷中最多であり、捻挫をして治療を受けないまま放置し、繰り返し再発を来たして足関節に不安定性を呈し、習慣性捻挫や変形性関節症(以下OA)を来たす事が知られている。
今回、陳旧性前距腓靭帯損傷に対し、薄筋での靭帯再建術を施行し、日常生活において装具除去は術後3ヶ月、レクリエーションレベルの運動は装具装着にて2.5_から_3ヶ月、競技レベルの運動は術後半年より開始とした。膝屈伸筋トルクの健側との比較も行い術後3ヶ月の時点で膝屈曲:64.0%(60°/sec)、67.3%(180°/sec)、伸展80.3%、96.4%へと改善見られた為、ジョギング開始。3.5ヶ月よりサイドステップを開始。6ヶ月で底屈筋力5/5となり安定性も良好な為、クラブレベルのスポーツ復帰した2症例を経験したので報告する。
今回の術式は強固な安定性が得られる為、膝屈曲筋力と荷重時期に重きをおいた。膝の筋トルクを比較し、スポーツ復帰の1つの指標とした。1症例については足関節安定性が得られても、遊離軟骨や、OAを伴う症例は後療法が長期化し、不安定性が長期化した場合、軟骨損傷は避けられずOAへ移行する事が予想される。

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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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