九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第30回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 40
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PNFアプローチを徒手と器具機械を用いて行った際の下肢筋活動に及ぼす影響
*丸山 倫司南野 大佑長福 武志岸本 稔
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キーワード: PNF, 表面筋電図, 回旋運動
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抄録

【はじめに】
固有受容性神経筋再教育(PNF)は、種々の促通要素から成り立ち、神経・運動器疾患を問わず多様な臨床症状に対応できるとされる。しかしながら効果はセラピストの技術に依存する部分が大きく、治療効果にばらつきがでることが予想される。そこで器具機械を用いることで同様の効果が発揮できないかと考え、本研究ではセラピストによるPNFアプローチと器具機械を用いたエクササイズ施行時の筋活動の動態を明らかにするため行った。
【対象および方法】
対象は本研究の趣旨を理解し、同意の得られた神経学的既往のない健康な成人男性5名、平均年齢±SD:22.6歳±1.34。運動は1)PNF下肢パターン(伸展-外転-内旋)2)Redcordを用い、スリングポイントを足部とした股関節伸展-外転-内旋運動を行った。いずれも静止性収縮を用い、運動の抵抗量はB&L Engineering社製ピンチゲージにて計測し、一定となるようにした。筋電図測定にはNORAXON社製、MIOTRACE EM-301を用い、サンプリング周波数は1000Hzで計測した。解析ソフトはメディエリアサポート社製、EMGマスター km-808を使用した。皮膚表面処理後下野らの報告に基づき、大腿直筋と大腿二頭筋へ表面電極を貼付した。それぞれ運動時における1秒間の積分筋電値(IEMG)と平均周波数(以下MPF)を計測し、最大努力収縮時のIEMGを100%とし、各動作時の割合(%IEMG)を算出し正規化した。分析には対応のあるt検定を用いた。
【結果】
各筋における%IEMG±SDは大腿直筋1)PNFパターン時1.97%±3.11、2)Redcord時 1.25%±1.74、であり、有意差は認めなかった。大腿二頭筋は1)PNFパターン時5.32%±3.33、2)Redcord時 1.97%±1.89であり、PNFパターン時が有意に?値を示した。(p<0.01)各動作での各筋の比較では有意差は認めなかった。MPF±SDは、大腿直筋1)PNFパターン時74.18Hz±9.5、2)Redcord時83.15Hz±13.63、大腿二頭筋は1)PNFパターン時79.95Hz±16.99、2)Redcord時 78.55Hz±17.11であった。
【考察】
PNFやRedcordエクササイズの治療効果は、抵抗運動や関節への圧縮等の促通要素が似通っているため、条件設定を近づけることで筋活動も同じ効果が得られると推測したが、結果として大腿二頭筋ではPNFアプローチで有意に高い筋活動を得た。PNFは螺旋的な運動、つまり回旋動作を含む事が特徴であり抵抗運動を行うが、Redcordでは回旋への抵抗が設定しづらい。柳澤や冨田らの報告では、回旋動作にて運動ニューロンの興奮性が高まると述べており、今回の研究でもその影響により筋活動が高まったことが推測された。

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© 2008 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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