九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
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胃癌術後の肺活量、咳嗽時最大呼気流速、6分間歩行距離の回復推移
*島添 裕史山内 康太鈴木 裕也石村 博史
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抄録

【はじめに】
 上部開腹術後のリハビリテーションの目的として、肺炎などの呼吸器合併症の予防や運動耐容能の改善などが挙げられる。今回、胃癌手術後早期の肺活量(VC)と咳嗽時最大呼気流速(PCF)、6分間歩行距離(6MWD)を経時的に評価し、回復推移を検討したので報告する。
【対象と方法】
 2009年5月から2010年4月までに胃癌に対して切除手術を施行され、周術期リハビリテーションを実施した症例で、術前・術後に経時的にVC、PCF、6MWDを測定できた21例を対象とした。術式の内訳は、開腹胃部分切除術7例、開腹胃全摘術7例、腹腔鏡補助下胃部分切除術7例であった。
VCはライトレスピロメーター(nSpireHealth社、ハロースケール)、PCFはピークフローメーター(レスピロニクス社、ASSESS)を用いて、各々フェイスマスクに取り付けて測定した。測定肢位は端坐位とし、端坐位がとれない場合はギャッジアップ坐位とした。PCFは全肺気量位からの咳嗽時の呼気流速を測定した。VC、PCFの測定は3回ずつ行い、最高値を代表値とした。VC、PCFの測定は術前、術後1-7日目、14日目に測定し、6MWDは術前、術後7日目、14日目に測定した。また、回復推移を検討するために、術前比を算出した。
統計処理は二元配置分散分析およびTukey法を用い、有意水準を5%とした。
【結果】
 VCは術前2913.3mlであり、術後1日目が1456.5ml(47.9%)と最も低値を示した。術後7日目2344.8ml(81.3%)、術後14日目2540.0ml(87.8%)であり、ともに術前値と有意差を認めた(p<0.01)。PCFは術前364.0L/minであり、術後1日目が155.5L/min(41.3%)と最も低値を示した。術後7日目は276.4L/min(76.7%)で術前値と有意差を認めた(p<0.01)が、術後14日目は317.6L/min(87.7%)であり、術前値と有意差を認めなかった。6MWDは術前450.7mであり、術後7日目357.8m(78.4%)で術前値と有意差を認めた(p<0.01)。術後14日目も404.9m(90.6%)で術前値と有意差を認めた(p<0.05)。
【結語】
 胃癌術後のVC、PCF、6MWDは術後7日目で術前値の8割程度まで改善し、術後14日目で9割程度までに改善した。

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