九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 46
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慢性閉塞性肺疾患患者のバランス能力は病期進行といかに関係があるか
~%FEV1、身体能力、ADLの関係について~
*今泉 裕次郎堀江 淳阿波 邦彦白仁田 秀一市丸 勝昭直塚 博行平田 晃久三村 さやか堀 邦広小柳 孝太郎本多 知行
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抄録

【はじめに】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、呼吸困難のための不活動性に伴い、身体機能の失調、低下を形成し、能力障害へと進行する。今回、我々はバランス能力と「Gloval Initiactive for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)ガイドラインの病期分類に使用される予測値一秒量(%FEV1)、身体能力、ADLの関係を客観的に検証した。
【対象】
対象は病態が安定しているCOPD患者17例(全例男性、平均年齢76.2±4.7歳) 、%FEV1 47.8±22.5%であった。除外対象は、重篤な内科疾患を合併している者、有痛性疾患を有する者、研究の主旨が理解出来のない者とした。なお、本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【方法】
測定項目は、バランス能力(片脚立位時間、Functional Reach Test(FR)、Timed Up and Go(TUG)、重心動揺(外周面積、総軌跡長))、%FEV1、身体能力(MRC息切れ分類(MRC)、呼吸筋力、握力、膝伸展筋力、最大歩行速度、6分間歩行テスト(6MWT)、Incremental Shuttle Walking Test(ISWT) 、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30))、The Nagasaki University Respiratory ADL Questionnaire (NRADL)とした。統計学的分析は、バランス能力とその他の測定項目の関係をPersonの積率相関係数を用いて分析した。
【結果】
バランス能力とその他測定項目において、片脚立位時間は6MWT(r=0.50, p=0.034)、TUGは最大歩行速度(r=0.85, p<0.001)、6MWT(r=-0.56, p=0.015)、CS-30(r=-0.50, p=0.039)、外周面積は%FEV1(r=-0.55, p=0.018)、MRC(r=0.55, p=0.021)、総軌跡長は%FEV1(r=-0.51, p=0.033)、MRC(r=0.73, p=0.001)、最大歩行速度(r=-0.72, p=0.02)、6MWT(r=-0.47, p=0.050)、NRADL(r=-0.59, p=0.010)、CS-30(r=-0.61, p=0.009)の間に有意な相関が認められた。
【結語】
本研究において、COPD患者のバランス能力は、病期の進行、身体能力、ADLと関連のあることが示唆された。今後、COPDの病期がどの程度進行すれば、バランス能力が顕著に低下しはじめるのかを明確にし、COPD患者の理学療法プログラム、ADL指導に活用できるようにしたい。

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© 2010 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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