九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 15
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特定高齢者に対する認知症予防教室
県士会支部の活動として
*四元 孝道山内 愛小川 千穂増永 美奈金田 明子立山 栄香城之下  唯子溜 いずみ山下 智子
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抄録

【はじめに】
介護予防事業は市町村主体で行われ理学療法士や作業療法士等が活動している。作業療法士の活動では石川県作業療法士会の認知症予防事業が知られている。しかし、鹿児島県内において、認知症予防事業に作業療法士が関わる活動は少ない。そこで鹿児島県作業療法士会霧島・姶良支部ではA町地域包括支援センター及びB地域リハビリテーション広域支援センターの協力を得て、特定高齢者に対し認知症予防教室を平成20年度と平成21年度に行ったので、その結果に若干の考察を加え報告する。
【対象】
65歳以上の高齢者を対象に生活機能評価(基本チェックリスト)と呼ばれる自己調査が行われる。これは生活機能動作や閉じこもり予防支援および認知症予防支援などの7つの大項目に分類されており、身体機能を勘案した上で、特定高齢者として介護予防事業の対象者とされる。今回、平成20・21年C月にA町にて特定高齢者と診断され、基本チェックリストにおける自己調査で認知症予防支援項目のいずれかに自己チェックをつけた者(以下、平成20年/平成21年)(116名/130名)の中から、本教室への参加希望のあった者(17名/21名)を対象とした。その内訳は男性(5名/7名)、女性(12名/14名)で年齢は(81.1±5.7歳/80.9±5.0歳)(平均±標準偏差)であった。なお、参加者には本教室参加にあたり説明を行い書面にて同意を得た。
【方法】
矢冨ら(2007)は認知症の前段階にエピソード記憶障害、注意分割機能障害、遂行機能障害が出現するとしている。そのため教室の活動としてReality Orientation、軽体操、記憶や注意を用いる認知機能訓練やActivity及び生活・運動習慣などの指導を週1回2時間、計12回行った。なお、効果判定の評価として本教室第1回目と第12回目に長谷川式簡易知能評価スケール(以下、HDS-R)を施行し、基本チェックリストは本教室の前後に行った。
【結果】
1)HDS-R
平成20年度では23.2±6.1点から26.3±3.7点へと有意に向上し、平成21年度では25.2±3.7点から27.0±3.2点へと向上したが有意差を認める程ではなかった。
2)基本チェックリスト
平成20年度では認知症予防支援項目において有意な改善が認めらたが、平成21年度では差はなく閉じこもり支援項目に有意な改善が認められた。
【考察】
HDS-Rの得点が向上する傾向がみられたことは本教室が認知機能へ良い影響を与えたと思われた。しかし、基本チェックリストの自己評価で異なった結果がみられたことは、記憶に関する認知訓練が異なったため対象者が受け入れやすい取り組みを考慮する必要性があると思われた。また、今後は山崎ら(2009)が指摘するように教室期間の検討や自主グループ化を促せるように地域と連携した活動をしたい。

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© 2010 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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