2018年12月1日にロペス・オブラドールがメキシコ大統領について約1年が経過した。同大統領の公約の一つである治安対策として国家警備隊が創設され、組織犯罪や既存の警察組織における汚職や不効率の解決が目指された。中央高原バヒオ地区に集中する日系自動車関連企業もこうした治安問題を注視してきた。公的統計において、2019年は、これら企業の生産拠点、駐在地域となっているバヒオ地区グアナフアト州で国内最多の殺人件数が記録されるに至った。北米自由貿易協定再交渉において日系自動車産業のサプライチェーン再編が検討されているが、バヒオで展開するカルテル間の抗争など治安問題も新規投資に影響を与える重要案件であるため、今後の政権の治安政策の行方に注目が集まる。